心理的瑕疵の判断基準
心理的瑕疵物件とは過去に自殺や殺人事件、火災、忌まわしい事件・事故などが発生した物件のことをいいます。
自然死は原則として心理的瑕疵に該当しませんが、特殊清掃が必要となるほど長期間放置された孤独死の場合は、心理的瑕疵に含まれる場合があります。
しかし、このような心理的瑕疵は買主や借主の個人により、どの程度の瑕疵を許容するのかは異なるため、心理的瑕疵に当たる基準は曖昧であるといえます。
ただし、どこまでを瑕疵とするか、その判断基準は難しいですが、判断基準がないというわけではありません。
基準となるのは、「通常一般人の感じ方」で、住み心地の良さを欠き、居住する物件として適さないと判断される物件が心理的瑕疵物件となります。
そのため、買主の個人的な主観によったり、ハラスメントのように受け取る人の一方的な感情だけを基準に判断されたりすることは正しいとはいえません。
心理的瑕疵と他の瑕疵の違い
心理的瑕疵はそれ以外の瑕疵と扱いが異なる点があります。
心理的瑕疵以外の3つの瑕疵においては、物理的に解消する方法があるため、「瑕疵が解消されている状態」であれば告知の必要ないとされています。
対して、心理的瑕疵の場合は告知期間の扱いが特殊です。
国土交通省によるガイドラインでは、賃貸の場合は少なくとも3年間は心理的瑕疵についての告知義務が必要であるとされています。
これは言い換えると3年間経過さえすれば告知しなくて良いとなります。
※賃貸にのみ時間がたつと記憶も薄れて影響は少なくなる「時間希釈の原則」という考え方が採用されているからです。
一方、売買取引に関しては、告知期間はガイドライン上で明確にはなっていません。
というのも売買に関しては過去の判例で必要とされた告知期間に大きな幅があり、基準の期間を定めにくいからです。
売買の判例では7年で説明義務が不要になったものもあれば、50年でも説明義務が求められたものもあります。
不動産売却の取引を行う際には、売主は買主に対して瑕疵を伝えなければなりません。
具体的には、売却する物件がどのような物件であるかを重要事項説明書や売買契約書に記載し、買主に契約不適合責任を問わないこととする了承を取ります。
もし告知義務を怠り、契約目的に適合しない物件を売却すると「契約不適合責任」を問われる恐れがあるので注意しましょう。
契約不適合責任とは、契約目的に反する取引が行われた場合、その責任を売主が負うことをいいます。
契約不適合責任を問われると、売主は追完請求(修補請求)や契約解除、損害賠償を請求されることがあります。
この契約不適合責任は、かつては「瑕疵担保責任」という名称で、売主が事前に把握していなかった場合も含め、瑕疵が売買後に発覚したときはその責任を売主が負うというものでした。
しかし、民法改正によって契約不適合責任に変わったことで、契約内容と異なるものを売る(たとえば、契約書に瑕疵が記載されていない等)と契約不適合責任を負うことになりました。
そのため、取引の際に瑕疵について正直に伝え、買主の了承を得ることで、契約不適合責任を回避し、トラブルを防ぐことができるでしょう。
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